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 はじまりは...

冬のある良く晴れた日、突然彼女は我が家にやってきました。

彼女はグレートデーンの雌犬です。

ある日、私達は彼女に会いにティアハイムに行きました。 そこで彼女は檻の中で、大きな体を小さく丸めて大きな瞳でこちらをじっと見つめていました。

他の犬舎の犬達が「早くここから連れて行って」と言うようにしきりにこちらに向かって吠える中、彼女はあきらめたようにただこちらを悲しそうに見ているだけでした。

私達は彼女と散歩に行くことにしました。他の犬達は散歩に出かけるというと一目散に走り出すのに、彼女はオドオドと私達を見上げながら私達の歩調に合わせてゆっくりと歩きました。いくら大人しいとは言え彼女はれっきとしたグレートデーンです。私は散歩をしている間も少し怖かったけれど彼女に「おすわり」と言ってみました。すると彼女はビックリするほど素直におすわりをしてくれて、ついでにお手をしてくれました。彼女の大きな前足が私の顔に命中して少し痛かったけれど、私は少し怖さがなくなりました。

もし彼女に言葉が話せたならばその時「私を貰って」っと言ったのかもしれません。

短い散歩を終えてハイムに戻ると彼女はまた檻の中に戻されました。またかと言うように悲しそうに私達を見上げました。私達は彼女を連れて帰るつもりでしたがそんな事は彼女にわかるはずもありません。

実は私はまだ少し迷っていました。犬は飼ったことはあるけれど、彼女のような大きな犬は初めてだし、成犬を貰うのも初めてでした。今までどのように育てられたのか解らないのが少し不安でした。それに彼女の隣の犬舎にいた色違いの瞳を持つハスキー犬がちょっと気に入ってしまいました。

少し不謹慎ではありましたが貰いうける手続きをしている間も私は何度も犬舎の方に戻ったり、猫舎を見に行ったりしていました。そうしているとハイムの動物達をみんな連れて帰りたくなりました。

私がそんな事をしている間に手続きが済んでしまい、もう後は連れて帰るだけとなってしまいました。毎週のように彼女に会いに来ていた人達に惜しまれながら私達は帰り支度をしました。

家に帰る車の中でも彼女は鳴き声1つあげずにとても大人しくしていたので私はもしかしたら死んでしまったのではないかと心配になりました。

※ティアハイム(Tierheim)...ボランティアが運営する動物の保護施設

ペットとの心豊かな暮らしを応援しますナチュラル・ペット


1; はじまりは... 2; いらっしゃい! 3; 初めてのお散歩 4; ある日、突然に... 5; 彼女がいない... 6; 新しい家を探して...

 Xenia  Brigantia